海外製品の梱包について考えてみます。
今回は海外製品の梱包や、取り扱いの現状について記事にしてみました。
パッケージはあくまでも商品自体を守るもの?
エネスコ新製品の発売に伴い、大量の商品が入荷してきたある日。「あ~これからこれ全部検品か~(o´Д`)=з」と思いながらも、重い腰を上げ、一つ一つ箱を開封し始めました。(※当店では検品の為、一度開封させていただいております。)
「どうか不具合がありませんように」と思いながら、検品を続けていくと、開始から早々と、「あまりにも酷い!」状態の物が目に入ってきました。
・・・そのあまりにも酷い状態に初めは目を疑いました。・・・以前から小さなパッケージ及びスチロールのキズや凹み、破れなどはありましたが、こんなに酷いのは初めてです。さすがにこの状態で売ることもできない為、こちらは輸入元へ返品・交換してもらいました。
巻かれているテープの変色を見ると、これは代理店が検品後にこのような状態になったのではなく、おそらく海外の生産工場にて箱詰めの段階でこの状態のまま発送していると思われます。代理店では膨大な数をまとめて発送する為、一つ一つ検品はしておらず「返品・交換」で対応していると思われます。
今回のものは当然、代理店へ返品・交換となりましたが、これ以外にも返品・交換対象にはならないような小さなパッケージのキズや凹みは多い輸入製品です。
海外では商品パッケージが破れてたり、潰れて届くなんてことは当たり前のようですが、意識としてパッケージやスチロールなどの緩衝材はあくまでも商品を守る為だけにあるもので、届いた際に肝心な商品が無事なら特に問題はないってことなんでしょうね。
角の凹みキズはどうしてつくのか?
エネスコ製品によくある商品パッケージのキズや凹みなどはどうしてつくのでしょうか? 理由は当店で雑に扱って、落としてるからとか、ではございません。💦
理由はこのロットで入ってくる輸送用の箱です。
この輸出用の段ボールには、商品によって1~48個?程入っています。最大数の数は正確には把握できていませんが、ミニフィギュアなどは相当数入っています。
この輸出用段ボールを生産工場から積み込み、コンテナに積み込み、荷下ろしの際に角から着地させていることが原因ではないかと推測します。
ロット単位だと相当な重さもあるので、どうしても角から降ろしてしまうのもわかりますが、この段ボールには角あてもない為、一番下に入っている製品パッケージ自体にダメージが発生してしまいます。
また、キズに関しても輸送中にこの輸出用の段ボールの中に入っている商品同士が擦れてキズが付いてしまいます。
※エネスコ製品はコンテナによる海上輸送です。
動画は荷物の流通過程にての事ですが、今回の緩衝材の破損も外国の人が考える『多少取り扱いが雑でも緩衝材で中身が守られているから大丈夫』、『商品パッケージはあくまでも商品を守るだけの物』ってことなんでしょうかね?
特に日本の方はパッケージも大事に保存する傾向にあるので、この問題は日本人の商品パッケージに対する意識を変えるべきか?、それとも海外の人のパッケージに対する意識を変えるべきか?・・・どちらも難しいかもしれませんね…
個人的には、受け取った商品の箱が潰れてたら「あっ!・・・これは?」とは思いますが、多少潰れてても中身が大丈夫ならパッケージは特に気にしない派です。
代理店が輸入する物はコンテナ船による海上輸送なので上の動画とは扱いも違うと思いますが、意識の違いから日本の物流の丁寧さが常識となっている我々には、驚く光景です。
この「緩衝材問題」が解消するまで、かなりの時間が掛かると思いますが、エネスコ製品を始めとした海外製品の外箱・発砲スチロールのキズ・欠け・凹み等に付いては何卒ご理解ください。
最近入荷するものは、比較的状態の良いものが多く、改善されつつあるようです。
海外メーカーは基本スピード重視?
少し今回の記事とは話が外れるのですが、日本の企業、特にモノづくりの生産企業、工場はよいものを作り、「生産・検査・出荷」に至るまで、プロセスを重視し完璧を求められます。しかし海外企業ではその逆でプロセスは程ほどにあくまでもスピード重視なのです。
スピード重視の結果は、エネスコ製品の「製品の仕上がり」や、「パッケージの不具合」に出ているのかと思います。
不具合や破損は、すべて返品・交換で対応する
スピードを重視するということは当然、検品や梱包も程ほどになりますが、そこに時間や経費をかけるよりも、後で返品や交換に掛ける方が、利益が出るということなんでしょうね。
当店入荷のエネスコ製品の不具合率は約~2%ぐらいな感じ・・・(破損は除く)
当店のような毎日の出荷量が少ない小売店では、そんな事やってたら返品による輸送費用で潰れてしまいますが、海外メーカーや輸入代理店、またはAmazonのような大規模な販売店では、検品に時間をかけるより「返品・交換」で対応したほうが効率もよく収益に影響が出ます。(※扱う製品にもよります)
製品にもよりますが不具合による「返品・交換」率はとても少ない為、その方が断然収益が出やすいのが想像できますね。
ちなみに私も良く利用しているAmazonですが、私の推測だとほとんどの製品は出荷前に「検品」なんかしていないと思います。毎日膨大な数を発送している企業では、そんなことしてたら、「当日・翌日」発送なんかしてられません。もし全部の商品を発送前検品などしてたら人件費などのコストが膨れ上がり、商品価格自体が跳ね上がります。
日本企業はプロセスを重視しすぎ?
日本人の給料が海外と比べ上がらないといわれてます、原因は色々と考えられますが、要因の一つにこの「スピード感」の無さが問題と言われてますね。決断スピードの遅さの他にも、とにかく日本で働いて思うことは、「安全・安心・品質など」を重視しすぎで無駄とも思える工程・作業が多すぎる事ではないかと思います。
個人的に何事も「〇〇し過ぎ」は良くないと考えてます。なんでも”程ほど”なぐらいが良いのでは・・・仕事においては、従業員にしわ寄せが来ます。
海外では「結果重視」、日本では「プロセス重視」果たしてどちらがいいのかと言えば、まさに結果なので何とも言えませんが、一つ言えるのは日本のモノづくりに関してそれだけ品質の良いものを作るなら、せめて海外にはもっと高く売るべきでしょうね。
こんな言い方すると語弊もあるかと思いますが、日本製品はプロセスにそんなに時間をかけるなら、もっと「ブランド化」して海外にはもっと高く買ってもらうよう企業は努力するべきでしょう。「安くて性能の良い日本製」の時代にはもう終わりにすべきです。
安くて性能が良いものは、もう他の国でも十分作れます。日本はもっとランクアップして次のステージに進むべきです、企業には先進国の名に恥じないブランドを作ってもらいたいですね。そうすれば自然と日本人の給料も良くなっていくでしょう。